べっこう職人だった7代目熊吉が制作したぬくめ細工の写真。 砂糖菓子とは思えない精密さ。
出来上がった生地を木枠の台へ流し込みます。
生地作りを行った職人自らの手で釜入れし、50分ほどかけてじっくりと焼き上げます。 焼き上がるまでただ待っていればいいというわけではありません。長崎カステラの美味しさの基であるザラメを生地全体に行き渡らせ、焼きの温度を均一にするために、木ベラを使って生地を丹念に混ぜ合わせる「泡切り」を行います。 ひとつのカステラを焼き上げるためには、焼き具合に応じて3回もの「泡切り」が必要なのです。
焼き上がったばかりの生地はすぐには切らず、特製の木の箱に入れて一晩寝かせます。 これは、余熱を放つとき木の棚(たな)に移った水分が、一晩かけてゆっくりとカステラに戻るのを待つためです。
効率とは無縁のこれらの手間を惜しまないことで、しっとり、ふんわりとした長崎のカステラが出来上がります。 一般のお客様が焼いてもなかなか思うように美味しく焼き上がらないのは、これらの数百年にも及ぶ細緻な経験の積み重ねによってしか得られない、熟練職人の技術が必要であるからなのです。